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《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)

第22章 おそ松END〜なごみ探偵とわたし〜(※)


「ワカリマシタ。アレハ、ワタシガ石油ヲ浴ビテイタ時ノコトデス……」


石油王がよく分からない回想を始めた瞬間、大きな破壊音が鳴り響いた。

「な、何の音ですかっ!?」
アイダが驚いて辺りを見回す。

またか……。

私は溜息をついた。

毎回行く先々で現場を破壊して回る男の登場だ。

走り出したアイダとサチコの後をのんびり歩きながらついていくと、玄関脇のステンドグラスの窓が見事に崩れ、赤い車が突っ込んでいた。

「アイタタタタ〜」

崩れ落ちる瓦礫を掻き分け、男が現れる。

「あ、あなたは……!」
アイダが声を上げる。

「あ〜はいはい。おそ松さんでしょ。アイダさんも盛り上げようとしなくていいから」

私が投げやりに言うと、男は頬を膨らませて、走ってきた。

「ちょっと、ゆりちゃん! 何、そのやる気のなさは! ここは『なごみ探偵の……おそ松くん!』ってちゃんとためて言ってくれないと、ポーズ決められないんだけどぉ」

「だって、もういい加減飽きたし。1年も同じパターンでの登場だもん」

私の言葉におそ松さんはぐっと悔しそうに言葉を詰まらせる。

「な、何だよ! ゆりちゃんがかっこいいって言うから、グライダーはやめて、ちゃんと車で来たのにぃ!」

「車での登場はかっこいいですけど、誰も壁や窓に突っ込めとは言ってないです! 普通に登場して下さい! 毎回、壁の修理代の請求が警察に来るんですよ?」


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