《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第20章 謎はあの色で終わる
<驚いたことにゆりが突然推理をし、チョロ松警部が犯人ということになってしまった。
彼女の推理はほぼ当たっていた。
でも、惜しい。
肝心の犯人が違うよ、ゆりちゃん。
一松を犯人にしてやろうと思っていたのに、このままではチョロ松警部が犯人になってしまう。
いや、もっとまずいのはチョロ松警部が自分は犯人じゃないと主張することだ。
鉈と金槌が洋館にあったことは、警部にはバレてしまっている。
僕が松野財閥の人間だということはいずれ分かるだろうし、警部が供述を始めたら一巻の終わりだ。
一松を犯人にしてやるどころか、下手したら僕がお縄だ。
時間がない……。
僕は焦って、通り魔事件を起こしたりしたが、一松が疑われることもなく、不発に終わった。
そんな中、僕は衝撃的な事実を知った。
あの銀行強盗事件の時に僕たちを助けようとしてくれた女の子が実はゆりだったということだ。
正直驚いた。
素知らぬ顔で彼女の話を聞いていたが、本当はすぐにでも、隣にいたのは僕だったんだよと叫び出したいくらいだった。
人の縁なんて分からないものだ。
奇しくも彼女も警察官になって、こんな近くにいたなんて。
僕が好きになったゆり。
でも、彼女はカラ松兄さんがずっと探している女性だった。
そして、憎き一松までもが愛している女性>