《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第20章 謎はあの色で終わる
<とりあえず、強引にゆりを食事に誘い、酔ったのをいいことに彼女の家に上がり込んで関係を持った。
初めは一松から奪うことしか考えていなかった。
でも、彼女を抱き、明け方ベッドで目を覚ました時、僕は隣で寝ているゆりを見て本当に愛おしく思った。
「ゆりちゃん……」
起こさないように名前を呼んだつもりだったのに、ゆりは眠そうに目を開けて、僕を見た。
「トド松先輩……?」
名前を呼び返され、思わず裸の彼女を抱きしめると、寝ぼけたゆりはふふっと幸せそうに笑い、また気持ち良さそうに寝息を立て始めた。
もう復讐なんて忘れて、ゆりとふたりで幸せになることを考えるのもいいかもしれない……。
そんな気さえした。
僕は気付いたら、ゆりに本当に惹かれてしまっていた。
でも、十四松さんもおそ松さんもゆりを狙っているようだったし、何より彼女はあの憎き一松を気にしているようだった。
そう、例え復讐を忘れたとしても、結局は一松が障害になって立ちはだかるんだ。
少しずつ少しずつ、僕の計画は狂い始めていた。
そして、運命の工場再捜査の日。
事態は思いもよらない方向に動いた>