《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第4章 ギルトな幽霊は館に潜む
私たちの楽しげな会話に引き寄せられたのか、チョロ松警部も入ってきた。
「トド松くん、僕にはないの?」
「もちろん、チョロ松警部にもありますよ! ハイ……ムギチャデス……」
「え? テンション低っ!? なんで急に死んだような目になったの? それにこれ、ただのペットボトルの麦茶じゃない?」
「タダノ麦茶デス……」
「えぇっ……」
困惑するチョロ松警部に、トド松先輩は両手を口に当てブリッコポーズをしてみせる。
「僕、自分の得にならない人には、無駄な労力をかけないって決めたんですっ、えへ」
「ええぇ! はっきり言い過ぎじゃない!? 僕、君の上司なんだけど!? ってか、部下から面と向かって『無駄』なんて言われたら、もう死ぬしかないよね!?」
「ハイハイ。死ぬしかないデスよねっ。Death(デス)だけにっ。じゃあ、僕は工場の捜査に行ってきますね」
全力で突っ込むチョロ松警部を適当にあしらって、トド松先輩はまたさっさと出掛けてしまった。
「トド松くん……」
涙目でドアを見つめるチョロ松警部の横で、私は一松さんと過ごした夜を思い出していた。