《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第20章 謎はあの色で終わる
突然、自分の名前が出てきて、心臓が縮み上がった。
息をついて、ふと周りを見回すと、公園には誰もいない。
犬の散歩をしていた人たちも、もう帰ってしまったようだ。
つい、夢中になって読んでいた……。
残りはもう少し。
最後までここで読もう。
<すべては順調だった。
一松は相変わらず第一容疑者だったし、ゆりも好感触だった。
僕が可愛らしく上目遣いでお願いすれば、ゆりは真っ赤になって何でも聞いてくれた。
少し困ったのは、洋館に幽霊が出るという噂が広がりすぎて、警察に通報が入ったことだ。
チョロ松警部の指示で、ゆりが一度洋館に捜査に来たが、カラ松兄さんの幽霊のふりをして脅してやった。
演技は完璧だったし、手と唇を氷で冷やしておくのも忘れなかった。
ゆりは幽霊だと信じたに違いない。
しばらくは恐がって洋館には来ないだろう。
これで後は、一松を犯人だと決める決定的な証拠があれば……。
僕はその計画を練りだした。
そんな矢先、問題が起こった。
ある日、洋館に行くと、庭がきれいに手入れされていた。
こんなことをするのは、一松ぐらいだ。
「まさか!」
慌てて地下室に行くと、カラ松兄さんの姿は消え、無理矢理こじ開けられた足枷と手錠が残されていた。
「くそ……一松のやつ……」
カラ松兄さんが監禁されていることに気づいて逃したのか……>