《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第20章 謎はあの色で終わる
<決行の日、盗んだIDカードで、早朝から工場に忍び込み、デカパン所長を殺した。
所長が誰よりも早く工場に出勤することも調べ済みだった。
デカパン所長に直接の恨みはないし、殺しもできるだけしたくはなかったが、仕方ない。
工場のトップが殺されれば大騒ぎになるだろう。
それにブラック工場は、警察上層部と太いパイプで繋がっている。
所長が殺されれば、警察幹部は躍起になって犯人を探すはずだ。
空調を使って死亡推定時刻をずらし、一松の班が休憩に入ったタイミングで暗幕を外して遺体を出した。
いかにも、『一松が休憩している時間帯に殺されましたよ〜』って感じにね。
僕の目論見通り、一松は昼休みに猫の餌やりに抜けていた。
しかも、怒られると思ったのか、途中で抜けたことを証言しなかった。
「馬鹿なやつ……」
これで一松は休憩中のアリバイがなくて、疑われるだろう。
一松の部屋を探せばジェイソンの仮面も出てくる。
いずれ通り魔の事件も疑われるはずだ。
事件の数日後に、僕は再び捜査で工場に行った。
一松に話を聞いた時、彼はなぜか不自然な態度を取った。
チームの新人の橋本ゆりの話が出ると、明らかに彼は動揺を見せた。
僕はピンときた。
ああ、こいつら、あの晩寝たな。
しかも、一松はゆりに惚れているようだった。
一松の好きな女なら奪ってやる。
僕はゆりを落とすことにした>