《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第20章 謎はあの色で終わる
<僕は館に誰も近づかないように『洋館に幽霊が出る』という噂を流した。
さらに窓辺でギターをひいたり、兄さんの物真似をして歌ったりした。
近所の人たちはあっさりと幽霊を信じ、誰も洋館に近づかなくなった。
ただ、カラ松兄さんを監禁しても僕の苦しみは消えなかった。
当たり前だ。
一松がのうのうと暮らしている限り、僕の気持ちが晴れることはない。
僕は憎き一松を陥れる計画を立て始めた。
「犯罪者に仕立て上げて、僕の手で逮捕してやるよ、一松……」
逮捕する瞬間、僕の身元を明かしてやる。
あのトド松だって。
一松、お前はどんな顔をするだろうね?
片や逮捕される犯罪者。
片や立派な警察官。
どっちが成功者かは火を見るよりも明らかだ。
一松に罪をなすりつけるために、彼がつけていたジェイソンのマスクと同じ物をつけて、僕は通り魔の事件を何度も起こしてやった。
一松はきっと女にモテないだろうから、わざとカップルばかりを狙った。
殺しは僕の趣味じゃない。
あくまで脅すだけ、怪我程度で済むようにした。
凶器に使ったチェーンソーは洋館に隠した。
でもそれだけじゃ警察はなかなか一松に辿り着かない。
そりゃそうだよね。
いくら日本の警察が優秀とはいっても、マスクだけではね。
だから、僕は一松の新しい職場でもっと大きな事件を起こすことにしたんだ。
幸い、一松の職場のブラック工場は、僕も捜査で何度か出入りしたことがあった。
工場に行った時に、昼休みに裏庭で猫に餌をやる一松を何度か見かけた。
これは使えると思った>