《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第20章 謎はあの色で終わる
<高校卒業を控えたある日、父さんが僕たちを呼び出した。
「お前たちに話がある」
父さんは珍しく真剣な面持ちで僕らに告げた。
久しぶりに父さんとまともに話す気がする。
僕は頷いてカラ松兄さんと共にソファに座った。
「父さんはもう充分働いた。お前たちももうすぐ高校を卒業する。母さんも亡くなったし、父さんはこれからは自由に生きていこうと思う。この間、地中海に浮かぶある島を買い取ったんだ。父さんは、そこに移住してのんびり暮らす」
「「はぁっ?」」
僕たちは開いた口が塞がらなかった。
何言ってんだ、この人。
そう思った。
しかし、父さんは本気だった。
「ダディ、会社はどうするんだ? この家は?」
カラ松兄さんが尋ねると、父さんは笑う。
「カラ松、お前に全部やろう。元々、お前が高校を卒業したら会社は譲る気だったしな」
「は!?」
「後は頼んだぞ。じゃ、父さん、今週中には出発するから。お前たちも元気でな」
呆然とする僕らを置いて、父さんはさっさと席を立った。
そして、宣言通り、一週間後に本当に地中海に旅立ってしまった。
カラ松兄さんは、洋館の主となり、父さんの会社を引き継いだ>