《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第20章 謎はあの色で終わる
<「おお、一松よっ! 今日の庭も実にパーフェクトだっ! 素晴らしい仕事だっ!」
兄さんは一松を認め、とても可愛がった。
一方、一松は兄さんを毛嫌いしているように見えた。
「黙れ、クソ松。お前が喋って吐いた息で庭の木が枯れる。今から息を止めろ」
「え? あ、え? わ、分かった。んっ………………ぷはっ! む、無理……」
途端に一松は手に持っていたスコップを構える。
「クソが……! 殺す……!」
「ええぇっ!? ちょっ、待っ! ウェイトッ! ウェイトだ、いちまーーつ!」
毎日のように館内に兄さんの悲鳴が響き渡った。
一松は、カラ松兄さんに冷たかったが、内心は兄さんに懐き、尊敬しているようにも見えた。
兄さんも一松にいじめられている割には満更でもない様子だった。
仲がいいのか悪いのかよく分からない二人を見ていると、僕はまたイライラした。
僕は、別に兄さんに可愛がられたいわけじゃない。
認められたいわけじゃない。
いや、兄さんは既に僕のことを可愛がって認めてくれている。
でも、違うんだ。
認めてもらったところで、意味がない。
なぜなら、中身がないからだ。
自分が一番よく分かっている。
庭師としての実力を認められた一松と違って、僕は認められるほどの何かを持ってはいない。
一松が褒められれば褒められるほど、兄さんが慕われれば慕われるほど、僕は毎日本当に苛ついた>