《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第20章 謎はあの色で終わる
<高校に入った頃には、僕とカラ松兄さんには大きな差が出ていた。
僕はいつもクラスでイケてる人たちと一緒にいて、華やかな学生生活を謳歌していた。
一方の兄さんは、周りからイタいと言われようが我が道を突き進んでいた。
兄さんは僕と違い、父さんにも積極的に自分から話しかけたりして、自然と会社の仕事の手伝いをするようになっていた。
そして、いつの間にか経営にも関わるようになり、スタッフからも頼りにされるようになっていた。
僕は兄さんを疎んでいたが、兄さんの方は相変わらず優しかった。
「ブラザー、俺はお前を信じてるぜ」
事あるごとにこのセリフを言う。
なんでそんなに自信満々なんだろう。
僕には理解できなかった。
まだ高校生なのに、仕事を任され、卒業したら会社を継ぐという話まで出てきたカラ松兄さん。
一方、ただ毎日騒いでいるだけの僕。
僕の方が兄さんよりおしゃれでイタくないのに。
僕の方が兄さんより人気者なのに。
なんで会社の人たちは兄さんをそんなに評価するんだろう。
なんで近所の人たちも「あなたのところのお兄さんは立派ね」って兄さんばかり褒めるんだろう。
よく考えたら、僕には何もないんじゃないか?
次第にイライラし鬱憤がたまっていった。
そんなある日、あいつは現れた。
「カラ松様、館の前に男性が倒れているのですが……」
メイドから報告を受け、僕と兄さんは駆けつけた。
紫色のパーカーを着た男性が家の前で倒れていた>