《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第20章 謎はあの色で終わる
<僕とカラ松兄さんの関係は、成長するにつれ、少しずつ変わっていった。
小学生の頃は兄さんにベッタリだった僕も、中学に入ってからは兄さんから離れるようになった。
その頃の僕は学校でうまくやっていくために色々と気を遣っていた。
常に最新の話題が話せるようにアンテナを張り巡らし、おしゃれにも気をつけた。
いつも可愛らしく振る舞い、みんなの話を聞いてあげて共感する。
男子にも女子にもまめに連絡を取りフォローする。
そして、できるだけ一軍の人たちやクラスで一目置かれている人と付き合うようにした。
気づけば僕は学校でも有名な人気者になっていた。
ただ、問題が一つあった。
カラ松兄さんだ。
兄さんは優しかったが、個性的というか我が道を行くというか。
人の目も気にせず奇抜なイタいファッションをしたり、気取った物言いをしたり、やたら尾崎を意識して周りにひかれてしまったり、とにかく別のベクトルで目立った。
「ねぇ、トッティ。あなたのお兄さん、ちょっと変わってない?」
女子生徒たちに心配そうに言われる。
「なぁ、トド松。お前の兄貴、イタすぎねぇ?」
男子生徒からは、はっきりと言われる。
幼い頃は盲目的に兄さんを尊敬していたが、だんだんとイタいカラ松兄さんが疎ましくなってきた。
何度か兄さんにまともな格好をするように注意をしたが、当の本人は気にもしていない様子だった>