《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第20章 謎はあの色で終わる
「私が?」
神松記者は頷く。
「本当は掲載前にネタを漏らしてはいけないんです。こちらも商売ですから。でも、あなたに読んで欲しい。この文書はお渡ししますから、よかったら読んでみてください。他の方へは見せないで下さいね」
「ありがとうございます……」
私はおずおずと封筒を受け取った。
「悪松を待たせているのでもう行きます。ああ、橋本さん、今回の事件はあなたが気に病むことはありませんよ。残念な事件ではあるけど、なるべくしてなった、避けられなかった事件でしょうから。では」
神松記者は、踵を返すと車に乗り込んだ。
車はすぐに発進し、あっという間に去って行った。
手元の封筒を見る。
トド松先輩の手記……。
一体、何が書いてあるんだろう。
「んじゃ、俺は帰るわ」
おそ松さんに肩を叩かれ、私は我に返った。
「え? 一人で帰るんですか?」
おそ松さんは、笑いながら私の頭を撫でる。
「ゆりちゃん以外は、見ちゃいけないみたいだし、一人でゆっくり読みたいだろ? 邪魔になるから帰るよ。んじゃ、またな」
彼はさっさと歩き出す。
背を向けたまま、ひらひらと手を振り、去っていった。
私はおそ松さんを見送ると、周りを見回した。
目の前には、あの公園。
以前、ニセ通り魔に遭遇した場所だ。
私は、公園に入ると、あの時のベンチに座った。