• テキストサイズ

《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)

第20章 謎はあの色で終わる


「そういうことだ。さすがに『今から真犯人を逮捕しに向かう』なんてメールを、トド松くん本人宛に送られては困るからね。トド松くんと協力して捕まえろと言ったのは、そうしないと君が尻込みしてしまうと思ったからで、本心ではなかったんだよ」

チョロ松警部は静かに笑う。
その笑顔は少し淋しそうにも見えた。

「警部……ショックですか? トド松先輩が犯人で……」

私が尋ねると、警部は頷いた。

「もちろんだよ。予想がついていたとは言え、最後まで少し希望は持っていた。実は間違いかもしれない、って。それに犯人だとしても自首してくれるかもと思っていた。彼は警察官としては優秀だったし、正義感も強かった。憎しみなんかに囚われず、警察官としての職務を全うして欲しかったよ……」

「警部……」 

「でも、心配はいらない。ゆりくんという優秀な部下がいるし、おそ松くんという頼れる探偵もいる」

チョロ松警部の言葉におそ松さんがうんうんと頷きながら、得意げに鼻の下を擦る。

私は唸った。
「警部、ちょっとおそ松さんを買いかぶりすぎでは……」

「そんなことはない! 彼がいればもう安心! 証拠を犠牲に空気を取る! 彼がいれば、なんやかんやあって、ああなってこうなって、ああ展開したとしても、最終的には和むんだ!」

「はぁ……」

「まあ、今日はもう仕事は終わりだ。ゆりくんもキリをつけてそろそろ帰りなさい」

「そうですね。分かりました」

おそ松さんがいれば安心かどうかはともかく、最近忙しかったし、早く帰れるのは嬉しい。

私はデスクの上を片付けると、立ち上がった。


/ 724ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp