《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第19章 最終決戦(※)
チョロ松警部が呆れたように溜息をつく。
「手を撃たれても、まだあがくつもりだったか。冷静な君らしくない。さすがに無理だ。そろそろ応援も到着する頃だしね」
言い終わると同時に地下室の外から騒がしい音が聞こえてきた。
「みんなこっち! 地下室がある!」
十四松さんの声。
複数の足音が階段を駆け下り、捜査員たちが十四松さんと共に一斉になだれ込んできた。
「チョロ松警部、大丈夫ですか!?」
十四松さんが警部の元に駆け寄る。
「ああ、大丈夫だ。もう終わった」
捜査員たちがトド松先輩を囲む。
私は一松さんを振り返った。
「一松さん! 大丈夫ですか!? すぐに鎖を外してもらいますから!」
一松さんが不気味な笑みを浮かべる。
「いや……このままも悪くない。クズでゴミな俺には縛られているのがお似合いだ……。我ながらしっくり来すぎて怖いくらい……。なんなら少し興奮している……」
「何言ってるの!?」
一松さんは微笑んだ。
「まあ、でも、ありがとう……。ゆりのおかげで死なずに済んだ。助かったよ……」
「一松さん……」
一松さんのその言葉。
警察官として一番聞きたかった言葉。
一松さんを守りたい。
みんなを守りたい。
大切な人たちを守りたい。
私がここにいる意味。
警察官になった意味。