《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第19章 最終決戦(※)
地下室の入り口に目をやると、銃を構えたチョロ松警部が立っていた。
後ろにはおそ松さんもいる。
「君には失望したよ、トド松くん。確実に証拠を掴むためでもあったが……でも、僕はちょっぴり期待していたんだ。時間稼ぎをしている間に、君が心変わりをして自首してくれるんじゃないかとね」
「チョロ松警部!? トド松先輩が犯人だって知っていたんですか?」
私の言葉に警部は頷く。
「ああ。確定した証拠がないから言えなかったが、トド松くんが怪しいとは思っていた」
トド松先輩が蹲ったまま、笑い出す。
「チョロ松警部、またまた嘘ばっかり! 僕が通り魔だと気づくはずないじゃないですか!」
チョロ松警部はやれやれと言わんばかりに溜息をついた。
「IDカードだよ、トド松くん」
「IDカード……?」
トド松先輩も含めて、皆がチョロ松警部を見る。
「トド松くん、君はブラック工場に入り込むために、僕のパスケースからIDカードを盗んだだろう? そして、気付かれないように後でこっそり戻した」
そういえば、工場の殺人事件で、チョロ松警部のIDカードが早朝に使われた履歴が残っていた。
あれはトド松先輩が盗んだものだったのか……。