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《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)

第19章 最終決戦(※)


「でも、残念だね。まさか兄さんと同じ人を好きになるなんて。しかも、僕の居場所を奪った一松まで君を好きだなんて」

「先輩……?」

トド松先輩の腕に力が入るのが分かった。

「さっきも言ったけど、もう今さら後戻りはできないし、するつもりもない。ねぇ、カラ松兄さん、手塩にかけて育てた庭師だけじゃない。やっと見つかったお姫様も愛する弟の手によって目の前で殺されるのはどんな気分だろうね?」

「っ! やめろトド松!」
カラ松さんが叫ぶ。

「俺を殺したいんだろ!? いいからゆりは放っておいて早く俺を殺せよ!」
縛られたままの一松さんも大声を出す。

トド松先輩の握るナイフが震える。
喉に強く押し付けられる。
恐怖でひゅっと喉の奥が鳴った。

「大丈夫だよ、ゆりちゃん。このナイフは鋭い。一気に掻っ切れば苦しまない」

「っ……!」
汗が滲む。
手足が震える。

ここで終わり?
私は死ぬの?


「ゆりちゃん、ごめん。ありがとう。バイバイ……」


「「おい! やめろ!」」
カラ松さんと一松さんが同時に叫ぶ。


トド松先輩……。


私は目を瞑った――。











瞬間、銃声が耳をつんざいた。










ハッと目を開ける。

喉は切られていない。

トド松先輩が手を押さえながら蹲った。
ナイフが目の前に音を立てて落ちる。


「そこまでだ! トド松くん!」


凛とした澄んだ声が響き渡った。


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