《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第19章 最終決戦(※)
だんだん事件の全貌が見えてきた。
『この事件は、最初から最後まで全てが洋館と繋がっているんだ』
チョロ松警部の言う通りだ。
この館の主人だったカラ松さん、弟のトド松先輩、そして、庭師の一松さん。
全てはこの3人から始まっている。
「兄さんは優しいから人望がある。引き継いだ会社もある。ある日、拾ってきたどこの馬の骨かも分からない庭師からも懐かれて。従業員たちも近所の人たちも口を開けば、兄さんばっかり褒めて……。父さんだって、兄さんにだけ期待してた。母さんが死んでからずっとこの館に僕の居場所なんてなかった」
トド松先輩がナイフを弄びながら吐き出す。
「それは違うぞ、トド松! お前の思い込みだ」
カラ松さんがまたそろそろと近付いた。
「近寄らないで、カラ松兄さん!」
途端にトド松先輩が叫ぶ。
カラ松さんは驚いたように動きを止めた。
「それ以上近寄らないで。ゆりちゃんがどうなってもいいの?」
トド松先輩は立ち上がると、私の腕を掴んで無理矢理引き上げる。
あっと思う間もなく、後ろから押さえられて、喉元にナイフを突きつけられた。
「っ……!」
カラ松さんが息を呑む。
「トド松先輩……私は……」
「黙って、ゆりちゃん!」