《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第19章 最終決戦(※)
私はトド松先輩を見つめた。
「先輩、自首して下さい。今からでも遅くは……」
途端にトド松先輩の顔から、すっと表情が消える。
「いやだね。僕は一松を許さない。本当は君とセックスするところを見せつけてから、一松を殺そうと思ってた。でも、もういいや。順番変更。一松もゆりちゃんもゴチャゴチャうるさいよ。先に殺っちゃおう。ゆりちゃんはその後でゆっくり、ね」
トド松先輩は踵を返すと、一松さんに向かって歩き出した。
「先輩! やめて下さい!」
叫んでも、先輩の歩みは止まらない。
「トド松、お前……」
一松さんが唾を呑む。
どうしよう。
このままでは、一松さんが……。
私は辺りを見回した。
なんとかここから抜け出したい。
手錠を引っ張るがガチャガチャと音がするだけで、外れそうもない。
私は頭を曲げ、自分の腕にかけられた手錠を見た。
手錠は頑丈だが、古いものだけあって、繋いでいる鎖は錆にまみれ、腐食が進んでいる。
トド松先輩は、一松さんの前に行くと、バスローブの胸元から紫色のバラを取り出した。
「一松、最期にこの薔薇をあげるよ。死体には花を供えるものだしね。僕って優しいよね〜」