《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第19章 最終決戦(※)
「今、助けます!」
階段を下りた私が駆け寄る。
「助けなくていい! それより、あいつを追っかけろ!」
逆さ吊りのまま、おそ松さんが叫ぶ。
「でも……」
「俺たちが来たことにあいつが気付いちまったから、一松さんが危ねぇぞ!」
「すぐ解きますから、一緒に……」
「ばかやろう! 時間ないって! お前、新人は卒業したんだろ? ここに来てビビんなよ! 俺もこれ抜け出したら、すぐ追いかけるから!」
「は、はい!」
私は頷くと、おそ松さんを置いて、階段横の扉を開けた。
前と変わらず湿っぽい空気。
地下への階段は暗闇に吸い込まれるように伸び、先は見えなかった。
「っ……」
一瞬、足がすくむ。
大丈夫。
足元は見えないけど、一度来たから分かっている。
この階段は、真っ直ぐ地下室に向かって伸びているだけ。
踏み外しさえしなければ、それでいい。
私は大きく息を吐くと、一気に階段を駆け下りた。
通り魔の足音はもう聞こえない。
たぶん、地下室に入ったに違いない。
一番下まで下りると、私は見覚えのある地下室の扉を開けた。
しんと静かな空間が広がる。
地下室は前に来た時と変わらず、拷問器具が並び、不気味な雰囲気を漂わせていた。