《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第19章 最終決戦(※)
「っ!?」
私たちは部屋の入り口を振り返る。
同時に誰かが走り出す音。
黒い布がちらりとはためき、視界の端から消えた。
「おい、待て!」
おそ松さんがすぐに後を追う。
私もワンテンポ遅れて追いかけた。
長い廊下を走りながら前を見ると、おそ松さんが追いかけているのは、黒い布を全身に纏った人物だ。
後ろからでは分かりにくいが、どうやら、あのジェイソンの白い仮面を被っているようだった。
きっとこの間、地下室で会った人物――仮面の通り魔に違いない。
通り魔は、廊下を抜けると、一階の広いホールに続く階段を一気に駆け下りた。
おそ松さんも後に続く。
「おい! 待てって!」
おそ松さんが手を伸ばし、布を掴もうとしたが、すんでのところでかわされる。
通り魔はホールに辿り着くと、階段の横にある扉を勢いよく開けた。
「おそ松さん! 地下室です!」
私は階段の上から叫ぶ。
「分かってる!」
おそ松さんが答えると同時に、通り魔は素早く中に入り、扉を閉めた。
地下室への階段を下りる音が乱暴に響く。
後に続くおそ松さんが扉に到達しようとした瞬間、「あっ」と言いながら前に倒れた。
「おそ松さん!?」
おそ松さんは、足から一気に引き上げられ、逆さ吊りになっていた。
以前、自分がかかったものと同じ罠だ。
「チッ、こんな時に!」
おそ松さんは罠を抜けようと体を揺らす。