《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第19章 最終決戦(※)
私は頷いた。
「あの時、地下室に落ちていたパンの袋の製造日、確か20日前のものでしたよね。それ以降の日にちの袋はありませんでした」
「ああ。地下室に監禁されてた誰かは、その日ぐらいに逃げたんだろうな。足枷も手錠も無理矢理こじ開けた跡があったし」
「もし、その日、一松さんが庭の手入れにここに来ていたとしたら……」
おそ松さんが目を見開く。
「監禁されてたヤツが逃げたのと一松さんは関係してるってことか?」
私は扉を見上げた。
「何があったのかは、まだ分からないですけど……。でも、今日決着をつけて、全てを明らかにします」
そして、絶対に一松さんを守る。
「ゆりちゃん、なんか今日は気迫が違くね? どしたの?」
「どうもしてないです。ただ、『新人』はもう卒業します。ちゃんと一人前の『警察官』になりたいんです」
「へ?」
私は返事をせずに、重い扉を押した。
相変わらず暗く静かな吹き抜けのホール。
私たちはすぐに2階に上がり、一部屋ずつ誰もいないか確認していく。
どの部屋も前に来た時と変わらなかった。
となると、やっぱり……。
「おそ松さん、1階に行きましょう」
「おっけ〜」
その時、部屋の外からガタンと何かがぶつかる音がした。