《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第19章 最終決戦(※)
『前にも言ったが、僕は初々しい女の子が好きでね。しっかりした警察官らしい女性は、掃いて捨てるほど周りにいる。飽き飽きだよ。だから、愛人候補はいつも新人から選んでいる。君を見た時、ピンと来たよ』
「…………」
『右も左も分からず、自信も持てず、迷いながら仕事を毎日必死にこなす女の子。しかも、周りからも可愛がられている。そんな君がいいなと思って、愛人に誘ったんだけどね』
「はい……」
雲行きが怪しい。
嫌な予感がする。
『でも、もう君は<新人>ではなくなったようだ。<警察官>の女性には興味はないよ。愛人の誘いはなかったことにしよう』
「……っ!」
あつしさんをがっかりさせてしまった……?
じゃあ、チョロ松警部の件もだめってこと?
不安になりつつ、耳を傾けていると、あつしさんは大きく息を吐いた。
『チョロ松警部が逃げたことは、これ以上伝わらないように、内部にもマスコミにも僕が手を回そう。それからチョロ松警部を追わないようにという通達も出す』
「いいんですか……?」
『いいんですか? って、そうしないといけないんだろう? でも、いつまでもは無理だよ。たとえ真犯人がいたとしても、逃げたことに変わりはないからね。捕まえないわけにはいかない。明日の夜には警部を確保する』
私は胸を撫で下ろした。
「分かっています。それだけ猶予があれば充分です。今日一日で決着をつけますから」
あつしさんはクククと笑った。
『すごい自信だな。本当にあの新人のお嬢さんか?』