《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第19章 最終決戦(※)
「あの……」
『君、今、ものすごいことを要求しているって分かっている?』
私は、深呼吸をした。
あつしさんの言う通りだ。
とんでもないことを言っていると自分でも思う。
でも、ここで引く訳にはいかない。
「どうしても真犯人を捕まえないといけないんです。人の命がかかっています。私が犯人を逮捕するまで、大事にしたくないんです。警察側だってチョロ松警部が脱走したことが報道されるのは困りますよね?」
『…………』
「幹部の方々は、ブラック工場の事件を早く解決されたいんですよね? ブラック工場と警察が裏で繋がって利益が流れていること、私は知っていますよ」
あつしさんが息を呑む音がした。
『まさか警察官の君が警察組織を脅す気か……?』
「そんなつもりありません! ただ、チョロ松警部の脱走が外に漏れる前に、真犯人を捕まえるのが一番いいと思うだけです。私が必ず捕まえます」
あつしさんが溜息をつく。
『君はそんなに強い子だっけ?』
「え……?」
質問の意味が分からない。
『前に会った時はそんな風には見えなかったのに』
「…………」
『短期間の間に随分と刑事らしくなったもんだな。がっかりだ』
「あつしさん……?」