《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第18章 真実は語られる
「ん〜なぜって、そりゃ夜這いするなら女の子の家がいいし。はーーーーん! 超絶可愛かったよぉお! ゆりくーーーーん!」
警部の顔がだらしなく緩む。
「警部! 私は真面目に言ってるんです!」
チョロ松警部は慌てて顔を戻し、私を真っ直ぐ見た。
「僕にとっては、トド松くんもゆりくんも優秀な部下だ。君はいつまで新人ぶっているつもりだ? 事件はもうすぐ幕を閉じる。そろそろひとり立ちしないと。君はもう立派な一人前の警察官だろう? ゆりくんが一松さんを守るんだ」
「でも……」
警部は力強く言葉を吐き出す。
「警察官が市民を守る。当たり前のことじゃないか。特別でも何でもない。毎日やる仕事のうちの一つにすぎない」
「…………」
当たり前のこと……。
私が一松さんを守る……。
チョロ松警部は、黙り込んだ私の頭を撫でると、立ち上がった。
「そろそろ時間だ。僕は行くよ。朝が来る前に隠れないといけない。ゆりくん、頼んだよ。一松さんをもし見つけられなかったら……犯人がいる場所の目星はつくだろう?」
目星?
私には思い当たる場所は一つしかない。
「チョロ松警部、この間、おそ松さんと洋館に行った時に、隠されていたチェーンソーを見つけたんです。だから、もしかして、犯人がいる場所は……」
チョロ松警部が微笑む。
「いいぞ! その通りだ、ゆりくん。ちなみに僕は鉈と金槌を『思いがけない場所』から発見したと言っただろう?」
「っ! まさか……」
私はハッとして警部を見つめた。
「ああ。僕はあの洋館で鉈と金槌を発見したんだよ。この事件は、最初から最後まで全てがあの洋館と繋がっているんだ」
チョロ松警部はニヤリと笑った。