《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第18章 真実は語られる
「まさか、一松さんを……」
警部は大きく頷いた。
「そうだ。ヤツはすぐにでも一松さんを殺しに来る」
「そんな……!」
「ゆりくん、よく聞いて。君は朝になったら、トド松くんに連絡を取って、すぐに二人で一松さんの元に向かうんだ。君は今、謹慎中だろう? トド松くんと違って、上に縛られずに自由に動ける。もし、トド松くんが動けなければ、ゆりくん一人ででも行くんだよ。そして、一松さんを殺しに来る真犯人を絶対に逮捕してくれ。失敗は許されない。失敗すれば、一松さんは死ぬ」
「警部は? 来てくれないんですか?」
「僕は行けないよ。身を隠して時間を稼ぐ。僕ら日本の警察は優秀なんだ。明日、遅くても夜には僕は必ず捕まってしまう」
「っ!」
チョロ松警部は、捕まるのを覚悟しているってこと……? 警部は犯人じゃないのに……。
「今のところ、僕は被告人だからね。もし、真犯人が捕まる前に、僕が警察に捕まれば、非常にややこしいことになる。下手したら、僕と繋がりがある君たちも自由に動けなくなって、真犯人を逮捕するチャンスを逃すかもしれない。そうなれば、一松さんが危険だ。ゆりくん、僕が警察に捕まるまでに絶対に真犯人を捕まえるんだ」
そんな大役を私に……?
失敗したら一松さんの命に関わるのに……。
不安がよぎる。
「チョロ松警部、なぜ私なんかにそんな大切なことを話したんですか? トド松先輩の家に行かれた方がよかったのではないですか……?」