• テキストサイズ

《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)

第18章 真実は語られる


警部は残念そうに首を振る。

「本当は、黙秘している間に、行動を起こした真犯人を君たちに捕まえて欲しかった。でも、無理だったようだね。残念だけど、タイムリミットだ。今日、起訴が正式に決まった。もう、これ以上の時間稼ぎはできない」


私はメモを見直した。
「つまり、これで言うとパターン①の『チョロ松警部が犯人と断定される』になったんですね」


「ああ、しかも僕が裁判で供述すれば、パターン②も発動だ。どちらにしろ、犯人の目論見は失敗する」


だんだんと警部の言いたいことが分かってきた。

本来は、チョロ松警部が黙秘で時間稼ぎをしてくれている間に私たちが犯人を捕まえなくてはいけなかったんだ。

でも、それができなかった……。


「じゃあ、この後、犯人はどうなるんですか?」


「いいかい、ゆりくん。犯人は今日のニュースで僕が起訴されることを知ったはずだ。ヤツの立場でいうと、なりふり構っていられない状況になる。裁判が始まるまでに何が何でも蹴りを付けようと、ヤツは強硬手段に出るだろう」

「強硬手段?」

チョロ松警部が、真剣な顔で私を見つめる。

「今まで真犯人は、一松さんを社会的に殺そうとしていた。自分が捕まりにくいスマートな方法だ。でも、そうも言っていられなくなった。君が犯人ならどうする?」


私が犯人なら?

何が何でも一松さんを陥れたい。
でも、もう時間がない。
そうなったら、残る方法はひとつ……。


/ 724ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp