《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第18章 真実は語られる
「僕が逮捕された後、どうなるかを犯人の目線で2パターン書いてみた」
【パターン①】
チョロ松が犯人と断定された場合
・一松さんを犯人に陥れることができなくなる
【パターン②】
チョロ松が供述を始めた場合
・一松さんを陥れようとしていることがバレてしまう。一松さんは警察に保護され、その後は狙えなくなる
・真犯人がいると分かり、自分に捜査の手が伸びる危険が高くなる
「分かるかい? 真犯人にしてみれば、ニセ通り魔の僕が逮捕された時点で、詰んでるんだよ。どちらに転んでもヤツの目的は叶わない。それどころか、僕が供述を始めた途端、一松さんは保護され、さらに自分の身も危なくなる。いつ供述を始めるのか、ハラハラしていたはずだ」
私はメモを眺めながら、頷いた。
「見事に八方塞がりですね……」
「だから、僕が逮捕された場合、一松さんを何が何でも仕留めたい真犯人はすぐに次の行動を起こす。というか、僕が供述を始める前に、行動せざるを得なくなるんだ。ヤツが自由に動けるのは『僕が黙秘している間だけ』だからね。実際、通り魔事件が起こっただろう?」
そういえば、チョロ松警部が逮捕されてから、工場の近くで通り魔事件が起こった。
地下室でもこれみよがしに暗幕を投げてきたし……。
「はい。あからさまに一松さんに繋がるような事件でした。早く一松さんを逮捕させたくて、真犯人は焦っていたんですね……」