《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第18章 真実は語られる
「思いがけない場所……」
チョロ松警部は続ける。
「デカの勘ってやつかな。僕は鉈と金槌を見てすぐにピンときたよ。『これは工場の殺人で使われた凶器だな』と。その二つの凶器はすぐに鑑識に回したが、被害者の血は僅かに検出されたものの、残念ながら犯人に繋がるものは何も出てこなかった」
私は頭の中のカレンダーをめくった。
「確か、私がカラ松さんの洋館で眠らされたのが、8月の2週目あたりだったから……」
「ああ。その少し後に、僕はすでに鉈と金槌を押収していたんだよ。ただ、トド松くんやゆりくんに凶器のことは、敢えて話さなかった。確信はあったものの、証拠には使えないし、凶器が見つかったと断定するには、まだ早いと思ったんだ」
「はい……」
「そして、君も知っての通り、捜査はその後、全然進まなかった。煮詰まった僕は、こちらから犯人を炙り出そうと思い立った。考えた末、僕はその押収した鉈と金槌を使って、公園でゆりくんを襲うフリをしたんだ」
私は警部の説明を止めた。
「あの……どうして鉈と金槌を使ったんですか?」
警部はニヤリと笑う。
「これは僕から通り魔へのメッセージであり、挑発なんだよ」