《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第18章 真実は語られる
「もしかして、恥ずかしいと思ってる? そんなことはないよ。むしろ、推理してもらわないと困るんだ。君のおかげで犯人に近づける。ありがとう」
チョロ松警部が慰めるように私の肩に手を置いた。
そう言われたら少しはホッとするけど……恥ずかしいのに変わりはないような……。
何とも言えない複雑な気持ちを抱えながら、私はチョロ松警部に次の疑問をぶつけた。
「でも、どうして警部が逮捕されたら、犯人を炙り出せるんですか? 犯人にしてみれば、チョロ松警部が罪を被ってくれてラッキーなだけですよね?」
警部は大きく頷いた。
「普通はそうだろう。でも、この犯人は違う。なぜなら、犯人の最終目的は、殺人ではないからだ」
「最終目的?」
「ゆりくんも捜査をしながら気付いたんじゃないか? 犯人の真の目的は、『ある人を殺人犯に仕立てて陥れること』なんだよ」
殺人犯に仕立てて陥れる……?
工場の殺人事件、仮面の通り魔事件。
そういえば、全ての事件で犯人に疑われた人物がいた。
それは……
「一松さん、ですか?」
チョロ松警部が頷く。
「ああ、事件を調べると、必ず最初に疑われるのは一松さんだ。犯人は、一松さんを陥れることができれば、それでいいんだよ」