《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第17章 淡い緑に癒やされて(※チョロ松)
私は目の前の尊敬する上司を見つめた。
「じゃあ、やっぱり警部は犯人ではないんですね……?」
チョロ松警部は、首を振った。
「いや……。確かに僕は工場の殺人はやってないよ。別の犯人がいる。でも、残念だが、公園で仮面を被って君を襲ったのは、この僕だ」
「そんな……!」
私は言葉を失った。
「ごめんね。公園では、君に怖い思いをさせた」
どうして優しい顔して、そんなことを言うの?
なんであんなことを?
涙が溢れてくる。
「警部……酷いですよ……私とトド松先輩がどんな思いで……」
言葉が続かない。
チョロ松警部が逮捕されてから、ずっと抑えていた様々な感情が一気に押し寄せる。
警部は少し困ったように目尻を下げ、優しく私の涙を指で拭った。
「ゆりくん、本当にごめんね。トド松くんにも申し訳なかった」
「警部、信じてたのに……」
絞り出すように言うと、次から次へと涙が溢れ出てくる。
「ゆりくん……」
「警部、本当に酷い……」
チョロ松警部は溜息をついた。
「どんな理由があるにせよ、可愛い部下を泣かせるなんて、僕はだめだよな……」
呟くと、泣いている私の唇に突然自身の唇を押し付けた。