《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第16章 赤い淫魔の調教(※おそ松)
「座ってれば落ち着くんじゃないですか?」
「んなもんで、男は落ち着かねぇの! あ〜どうしよ〜スマホは使えないって言うし!」
「スマホないとだめなんですか?」
「う〜、うん、いや、うん……ゆりちゃんさぁ、代わりに……」
その時だった。
おそ松さんの言葉が終わらないうちに、突然、大音量の鐘の音が鳴り響いた。
「え? 何?」
私たちは周りを見回す。
音が石の壁に反響して、部屋のあちこちで鳴っているように感じる。
耳が痛くなりそうだ。
何が起こったのか分からず、息を凝らして私たちは音に耳を傾ける。
鐘の音はしばらく続き、やがて鳴り止んだ。
静寂が地下室を包む。
「……たぶん、時計塔だな。ちょうど15時くらいだろ。時間が来たから鳴ったんじゃね?」
言われてみれば、確かにそんな気がする。
おそ松さんの言葉に、なるほどと私も頷いた。
次の瞬間、今度はバチッと電気が走るような音。
一瞬で光が消え、目の前が真っ暗になった。
「「っ!?」」
私とおそ松さんは同時に息を呑む。
地下室の電球が一斉に消えたようだ。
何も見えない。
「おそ松さん?」
声をかけると、「ああ、ここにいるよ」と返事が返ってくる。
「どうしましょう? 電球が切れちゃったみたいです」
言いながら、後ろに下がった瞬間、何かにぶつかった。
あれ?
後ろに何かあったっけ?
反射的に振り向こうとすると、誰かに勢い良く背中に抱きつかれ、口を押さえられた。