《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第3章 紫の夜の秘めごと(※一松)
一松さんの唇がつーっと首筋を優しくなぞった。
「あっ」
思わず声が出る。
「ヒヒッ、何その声。早く俺を逮捕しなよ……。やっぱり俺、極悪人かも。あんたを犯そうとしてる酷い男なんだからさ。ぶん殴るとか、思い切り蹴るとか、できるでしょ?」
私は動けなかった。
一松さんは上体を起こし、私を見下ろす。
「何? 怖いの?」
首を振る。
「怖くない、よ……」
「じゃあ、なんで止めないの?」
「なんでだろ……」
自分でもよく分からない。
でも、不思議と嫌じゃない。
「あんた……俺にどうして欲しい?」
「『あんた』じゃなくて、いい加減、名前で呼んで欲しい……かな……」
一松さんは、ニヤリと笑った。
「『やめて欲しい』とは言わないんだ」
「えっ? あっ、そ、それは」
「じゃあ、ゆり……」
「いきなり、呼び捨――」
唇で塞がれ、最後まで言わせてもらえなかった。
一松さんは、キスをしたまま、唇をそっと滑らせる。
「んん……!」
甘い痺れが走って、脳がとろける。
思わず漏れた声を責めるかのように、一松さんは私の唇を強く吸った。