《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第16章 赤い淫魔の調教(※おそ松)
「それにしても、悪趣味だよな〜。こんなもん地下にコレクションしておくなんて」
おそ松さんは周りを見回す。
彼が言っているのは、所狭しと置かれている拷問器具のことだ。
立ち上がると、器具をひとつひとつ見て回り始める。
私もなんとなくおそ松さんの後に続いた。
「おそ松さん、ここにあるものって、今は使えないんですよね?」
「そりゃ、そーだろ。大体のものは錆びてるし。でも、単純な作りのものは使えるんじゃね? 使いたいの?」
「まさか!」
どれも用途を想像したくない。
「この洋館自体、古いみたいだし、かなり昔からずっと置いてあるのかもな。たぶん、どれも歴史品としてはかなり貴重なもんだと思うぞ。こんなところに置いておかずに博物館にでも売るか寄付すりゃいーのに……」
そう言いながら、おそ松さんは、部屋の隅の方へと歩いていき、突然「うぉっ!」と叫んで、立ち止まった。
「どうしたんですか?」
「へぇ〜これがねぇ〜。本物なんて初めて見たわ〜。へぇ〜かの有名なねぇ〜」
しきりに頷く。
「何なんですか?」
おそ松さんはニヤニヤと振り返った。
「え〜ほら、アレなDVDとかで見るやつだよぉ。まさか本物を見られるとは!」
「アレなDVD?」
おそ松さんは、私の耳元に口を寄せて、囁いた。
「三・角・木・馬」
「っ!」
私は目の前の木馬を眺めた。これもまたかなり古そうだ。
「てか、ここらへんに置いてあるのは全部アレでアレなやつだな」
おそ松さんがせわしなく器具の間を行ったり来たりする。