《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第15章 名探偵はヒミツに触れる
「じゃあ、洋館の幽霊騒ぎは……」
おそ松さんが足枷をくるくると器用に回す。
「仮面の通り魔が仕組んだんだろうな。直接噂を流したか、幽霊のフリをして人に見せたかは知らねぇが。ところが、それが裏目に出て、噂が大きくなりすぎた。警察に通報する人が何人か出てきちゃった」
私はハッとした。
「それで、私が洋館に捜査に行くことに……」
おそ松さんは頷く。
「通り魔は困っただろうな〜。人を遠ざけたくて噂を流したのに、逆に警察が捜査に来ちゃうんだもん。ま、全力で追い出そうとするだろうな」
「っ!」
洋館に捜査に行った時、カラ松さんに「二度と来るな」と脅され、睡眠薬を飲まされた……。
やっぱり通り魔はカラ松さんなの……?
おそ松さんが私の表情に気付く。
「誰を思い浮かべてるのか知らねぇけど、あんまりすぐに決めつけない方がいいんじゃね? 1回決めつけると、それ以外の考えを受け入れられなくなるからな〜」
足枷を置いて立ち上がったおそ松さんを私は見つめた。
この人、ヘラヘラしてるけれど、実はすごく頭のキレる人なんじゃないだろうか?
「おそ松さん、なごみ探偵なんかやめて、ちゃんとした探偵事務所でも開いたらどうですか? 今、収入ゼロなんですよね?」
「あーうん。収入ゼロどころか借金が500万ある」