《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第15章 名探偵はヒミツに触れる
地下室に入ると、カビ臭い匂いが鼻についた。
壁、床ともに剥き出しのコンクリートが寒々しい。
想像していたよりも中は広く、自分たちよりも遥かに背の高いオブジェのようなものがいくつも並べられている。
壁際には、木板で作られた棚が設置されていて、埃をかぶった道具や物が乱雑に置かれていた。
おそ松さんが懐中電灯で照らしながら、オブジェの間を縫って歩く。
「おそ松さん、なんか古いオブジェがたくさんありますね……」
私は少し心細くなり、前を歩くおそ松さんの袖を掴んだ。
「んー? ゆりちゃん、見て分かんないの? これはオブジェじゃないよ。ここに置いてあるのは全部、本物の昔の拷問器具だよ」
「えっ!」
「いつまで使ってたのかは分かんねぇけどな」
おそ松さんは地下室をくまなく照らすと、壁際に沿ってゆっくり進み、照明のスイッチを見つけて、パチリとつけた。
天井からぶら下がっていた5〜6個の裸電球が付き、地下室の全景がぼんやりと浮かび上がる。
もちろん、充分な明るさとは言えない。
私たちは薄暗い地下室を見渡した。
「おい、ゆりちゃん、あれ」
おそ松さんが部屋の一番奥を指差す。
血のついた白い布が落ちていた。