《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第15章 名探偵はヒミツに触れる
「嘘じゃないって。キスしなかったこと、まだ怒ってんの? いや、だってキスして止まんなくなっちゃったら困るしさぁ。俺のこと好きじゃないんだろ? 無理矢理ヤって、傷つけたくないじゃん」
「え……」
からかってるのかと思ったら、私のことを考えてくれての行動だったの?
また少しドキッとする。
「はぁ〜、だからさ、チンコがヤバイんだよね〜。あ、ほんとだよ、ほんと。見る? 見る? 舐める? 舐めちゃう? たは〜! ゆりちゃんのエッチィ〜!」
「…………」
もう、何回からかえば気が済むの!?
私はおそ松さんの手を振りほどくと、被っていた布を取って、無理矢理降りた。
「あ〜、ゆりちゃん。ちなみに気付いた? その布」
「布?」
私はイライラしながら床に投げ捨てたばかりの布に目をやった。
階段から落ちる時に、通り魔が体から外して投げたものだ。
おそ松さんが起き上がる。
「気付かない? それ、ブラック工場にかかってた暗幕だよな?」
「はっ!?」
私は慌てて布を拾い上げる。
言われてみれば、確かに大きさも手触りも同じだ。
でも、本当にこれがブラック工場の中から持ってきたものだとしたら、あの通り魔は……。
「わざわざブラック工場の暗幕持ってきて、ご丁寧に投げてよこすとか、すっげぇアピール。通り魔って、構ってちゃん?」
おそ松さんが意味有りげに笑った。