《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第15章 名探偵はヒミツに触れる
「ちょっ! やだ! 何してるんですか!」
慌てておそ松さんの指を止める。
「えー、自分の指、吸っただけなのにダメって言われんの?」
「でも……」
「だって、あんなエロい感じに吸い付かれたらさぁ、そりゃエッチな気分になっちゃうでしょ。自分の指を吸うだけで我慢してんだから文句言うなよ〜。今すぐ襲ってもいいぐらいなんだけど?」
「…………」
おそ松さんは寝たまま、手を横に伸ばし、落ちていた大きな黒い布を掴んだ。
バサリと自分たちを覆う。
布の中は、私たちだけの狭い空間となった。
「な? こうすりゃ、中で何してるか分かんないだろ?」
「な、何するつもりですか? 私、やっぱり降ります……」
おそ松さんから離れようとすると、また掴まれた。
「だーめ! ちょっと付き合えって」
おそ松さんの手が私の首の後ろに回される。
無理矢理引き寄せられ、鼻と鼻が触れ合った。
「おそ松さん……」
布の中の狭い空間。
互いの心臓の音が耳につく。
「なぁ、ゆりちゃん……」
おそ松さんの唇が近づき、私は目を閉じた――。
「お前……何、目なんか瞑っちゃってんの?」
慌てて目を開ける。
「え? あ、え……」
ニヤニヤしながら見上げるおそ松さん。