• テキストサイズ

《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)

第15章 名探偵はヒミツに触れる


私はその唇を手で押さえる。

「おそ松さん! それより、さっきの人を早く追わないと!」

途端におそ松さんがむくれた。

「え〜、何だよ。いい感じだったのに! 追うなんて無理無理。俺たちが落ちる時、階段駆け上ってくのがちらっと見えたから。もうとっくに逃げちゃってると思うよ」

「そんな……」

私がおそ松さんの上から降りようとすると、手が伸びてきて力強く引き止められる。

「まあまあ、待てって」

「え、でも……」

「いいじゃん。ゆっくりしてきなよ」

ゆっくりしていきなって、家じゃないんだから……。

「あの、降りたいんですけど……私、重いし……」

おそ松さんがニヤニヤ笑う。

「重くない重くない。ゆりちゃん、細いし小さいから。そんなの気にしてんの? かーわいっ!」

「…………」

おそ松さんが私の体に腕を回し、ぐっと引き寄せる。
必然的に私はおそ松さんにのしかかる格好となってしまった。

「なぁ、俺のこと、嫌い……?」

おそ松さんの手が私の頭を優しく撫でる。

「嫌いじゃないけど……」

言い淀むと、おそ松さんは笑う。

「好きでもない、ってか? 辛辣ぅ〜!」


/ 724ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp