第15章 名探偵はヒミツに触れる

気づくと、私はおそ松さんの上に倒れていた。

「いててて……ゆりちゃ〜ん、気づいた？　大丈夫？」

下になったおそ松さんが心配そうに見上げる。

落ちた割に体のどこも痛くない。
おそ松さんが私を庇いながら落ちてくれたおかげだ。

「おそ松さんこそ、大丈夫ですか!?」

「へへへ。俺なら大丈夫大丈夫〜。可愛いゆりちゃんのためならいつでも下になるし、絶対に受け止めるから」

鼻の下を擦りながら笑う。

「おそ松さん……ありがとう」

手を広げて受け止めてくれた瞬間の勇ましい姿を思い出した。
そして、今、それとは対照的に優しく見上げるおそ松さんに胸がキュンとする。

「あれ〜何その顔。もしかして、俺のこと好きになっちゃった〜？」

おそ松さんが悪戯っ子のような表情になる。

「…………」

「なになに？　そんな切なそうな目しちゃって。もう、このまま、俺としちゃう〜？」

おそ松さんは上に乗っている私をぎゅうっと抱き締めた。

「おそ松さん……」

「あーもうっ！　可愛いよ〜！　ゆりちゃ〜ん！　ん〜〜！」

おそ松さんが唇を突き出してきた。