《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第3章 紫の夜の秘めごと(※一松)
「あんたさ、俺と二人きりで怖くないの?」
「え?」
窓から入る青白い月の光に反射して、一松さんの虚ろな瞳が冷たく光った。
「もし、俺が殺人犯だったらどうすんの?」
「どうするって……」
何を言っているの?
一松さんの両手が伸びてきて、そっと私の首にかけられた。
「いいの? 俺が犯人だったら、あんた殺されるかもしれないよ……?」
手に静かに力が込められる。
「ほら、こうやってさ……」
少しずつ、少しずつ、首が締められていく。
嘘でしょ……?
一松さん……?
一松さんは急に手を止め、緊張が切れたように、クククッと笑い始めた。
「えっと……あれ……?」
訳が分からずキョトンとする私。
一松さんは笑いながら手を引っ込めた。
「ごめん。怖がるかと思って、ちょっとからかっただけ……。あんた、緊張してすっげー変な顔してたな」
「…………」
「びっくりした?」
私は静かに足を上げた。
「やっぱり極悪人ぽいので、やっつけますね」
「ちょっ! やめっ!……」
私は構わず一松さんを蹴った。