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《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)

第14章 顔のない足音


石の壁にけたたましく反響する3人の足音。

無我夢中で駆け下りる。

足音はあっという間に私たちの後ろまで迫ってきた。

「おそ松さん!」

「ゆりちゃん、もっと早く!」

おそ松さんに引き離され、なんとかスピードをあげる。

だめ、このままでは追いつかれる!
だったら……!

私は立ち止まり、思い切って振り向いた。
こうなったら顔だけでも見てやる。

「ゆりちゃん! 止まるな! おい! ゆり!」

下からおそ松さんの声がした。

私は目の前の暗闇を睨む。

足音がすぐ近くで止まった。

くぐもった息の音。
足音の主は、ゆっくりと目の前に現れた。
私よりも背は高い。
全身は真っ黒の布に覆われていた。

息を呑み込み、相手を見上げる。
薄暗くて、顔は見えない。

「おそ松さん! 懐中電灯を上にあげて!」
叫ぶと同時に足音の主は両手を突き出した。

「きゃああっ!!!!」

強く押され、私はバランスを崩して、仰向けに倒れていく。

その一瞬、スローモーションのように、下からの懐中電灯の光に照らされた相手の顔が見えた。


……仮面!?


足音の主はジェイソンの仮面をつけていた。そして、落ちていく私を見ながら、仮面を外す。

「っ!」


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