• テキストサイズ

《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)

第14章 顔のない足音


「下に行ってみるか……」

おそ松さんの声に、私は頷くと、持ってきていた懐中電灯を出した。

おそ松さんがそれを受け取り、先に階段を下り始める。

私も後から続く。

石でできた狭い階段は角度がかなり急だった。

幸い階段の周りは同じ石でできた壁に囲まれていたため、壁に手をつきながら下りることができる。

真っ暗な上に空気は湿っぽくひんやりとしていて、不気味な雰囲気が漂っていた。
正直、あまり居心地のいい場所ではない。

一段一段下りるたびに、私たちの足音が大きく反響した。

「にしても、長い階段だな……どんだけ深い所に地下室作ってんだよ……」

おそ松さんが誰に言うわけでもなく呟く。

私たちは、足下を照らしながら、慎重に階段を下りていった。

数分経ってから、私は前を行くおそ松さんの服を引っ張った。

「おそ松さん……」

「あ? 何? ゆりちゃん?」

おそ松さんは振り返らずに答える。

「あの、ちょっと、気になることが……」

「うん。だから何?」

歩みを止めずおそ松さんが返す。

「あの……私たちの足音……」

「足音?」

たぶん、気のせいじゃないよね……?

私は息を吐いて、思っていることを口に出した。


「3人分の足音が聞こえませんか?」


/ 724ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp