《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第14章 顔のない足音
私たちは1階の部屋を順に調べ始めた。
「なぁ、この扉って開かねぇの?」
階段を降りてすぐ右側にある扉のドアノブをおそ松さんが引っ張る。
私も一緒に引っ張ってみる。
「ここは鍵がかかっているみたいですね……」
私たちは諦めて他の部屋を調べた。
特にどの部屋も異常はなく、人が最近使った形跡もない。
「1階はここで最後だな」
おそ松さんと私は一番奥にある狭い部屋に入った。
その部屋は、他の部屋とは雰囲気が違い、置いてある家具もみすぼらしく、殺風景だった。
「従業員用の部屋なのかな?」
私たちは歩き回る。
部屋の真ん中に来た時、床が妙に軋むことに私は気づいた。
「おそ松さん、この床の下、何かあるんでしょうか?」
「ん〜? どれどれ。見せてみ?」
おそ松さんが絨毯を剥がし、床を調べる。
「なんか開きそうだな……」
おそ松さんは辺りを見回すと、部屋の隅に置いてあった雨戸を閉めるためのフック棒を持ってきた。
床板のつなぎ目に差し入れ、力をかけ揺らす。
するりと板はスライドし、穴が空いた。
「ゆりちゃん、開いたよ!」
言いながら、おそ松さんが穴を覗き込む。