• テキストサイズ

《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)

第14章 顔のない足音


***

私は再び訪れた洋館を見上げた。

前に来た時は土砂降りだったが、今日の天気は雲一つない快晴。

前回の不気味な印象とは打って変わって、明るい日差しの中で見る洋館は、趣があり洒落ているようにさえ感じる。

玄関へ向かおうと庭に入った瞬間、私は足を止めた。

「ん? どしたの?」
後から付いてきたおそ松さんが不思議そうに覗き込む。

前回見た時には伸び放題だった草がすべて抜かれていた。木や花壇もきちんと手入れされ、花まで咲いている。

「庭がきれいになってるからびっくりして……」

「ふーん、持ち主が業者とかに頼んできれいにしてもらったんじゃねーの?」
おそ松さんが興味なさそうに言う。

「そうですね……」

たぶん、おそ松さんの言う通りなんだろう。

私たちは庭を抜けると、洋館の中に入った。

ドアを開け、そっと踏み込む。

建物の中は相変わらずガランとしていて、暗くひんやりとしていた。

「さぁてと、何から調べる?」
おそ松さんがポキポキと指を鳴らす。

「え? おそ松さんって、普通に捜査できるんですか?」

「え〜その言い方酷くね?」
軽く睨まれた。

「だって、おそ松さんのことだから、また、和ませるのかなと思って。まあ、今日は和ませる相手は私しかいないですけど」

途端にまたおそ松さんはニヤニヤし始めた。
「ふーん、そんなに和みたかった?」

「べ、別に……」

「嘘ばっかり〜。ゆりちゃん、本当は和みたかったんだろ? ねぇ、和みたいんだろ? ねぇねぇ! 俺の和みのトリコなんだろ?」

おそ松さんにしつこく小突れる。


/ 724ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp