《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第14章 顔のない足音
「しない。なんで、トト子が新人さんと一緒に?」
トト子さんが冷たく返す。
「え〜! じゃあ、俺と二人きりだったら?」
トト子さんは少し考え込んだ。
「うーん……何かいいもの買ってくれる?」
「えっ、いいのぉ!? マジで! ひゃっほぉ〜! じゃあ、早速今からホテルで結合を……」
私は慌てておそ松さんを引っ張った。
「ちょっと、おそ松さん! 何を言ってるんですか!」
「なに、ゆりちゃん? もしかして、俺とトト子ちゃんにヤキモチ?」
「ち、違います! おそ松さんには聞かなきゃいけないことが……」
おそ松さんが顔を赤くして股間を押さえた。
「聞かなきゃいけないことって、俺のあそこのサイズ? いやん、ゆりちゃんのエッチ」
「はっ!? ち、ちが……」
おそ松さんがウンウンと頷きながら、私の肩を叩く。
「分かるよぉ。気になるよね〜。セッ(ピー)するなら大きい方がいいもんねぇ?」
「っ!」
瞬間、この間のカラ松さんの顔が浮かんだ。
私の顔色が変わったのに気づいて、おそ松さんが叫び出す。
「あっ! なんだよ! 今、誰のことを思い浮かべたんだよ! くそぉっ! 俺の知らない間にもしかして……ゆりちゃんの浮気者〜!」
「はっ!? 今、トト子さんにデレデレしていたくせに、なんで私が浮気者呼ばわりされなくちゃいけないんですか!?」
トト子さんが後ろで溜息をついた。
「あんたたちって仲いいのね。トト子とは違って、似たもの同士の庶民って感じ。じゃ、トト子は取り締まりあるから行くわね」
「あっ! トト子ちゃ〜ん! ホテルは!?」
おそ松さんが慌てて取り縋ったが、無情にもドアは閉まり、トト子さんは去って行ってしまった。