《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第14章 顔のない足音
「で、そこで捕まえた人にちょっと気になることを聞いたのよ」
「気になること?」
トト子さんが頷く。
「うん、仮面の通り魔を見たって人がいたの」
「え!」
仮面の通り魔を見た人?
私は思わず身を乗り出した。
トト子さんは話し続ける。
「で、少し話を聞いてみたんだけど、その人が仮面の通り魔を見たのは、事件のあったブラック工場から、かなり離れた場所だったの」
「どこですか?」
トト子さんが私の目をじっと見た。
「前に殺人事件があった洋館。あの洋館に通り魔が入っていくのを見たんだって」
「洋館!?」
私は思わず叫んだ。
洋館って、あのカラ松さんの洋館?
そこに仮面の通り魔が入っていった?
「そっ! どう? なかなか面白い話でしょ?」
トト子さんが笑う。
その時。
「ほーんと! 面白いね〜!」
後ろから聞き覚えのある声。
振り返ると、なごみ探偵のおそ松さんが立っていた。
「あら、おそ松くん。久しぶり。珍しいわね」
トト子さんが目を丸くすると、おそ松さんはニヤニヤ笑いながら鼻の下を擦った。
「へぇ〜トト子ちゃんとゆりちゃんの組み合わせかぁ! 何、この俺得な組み合わせ! たまんないんだけど! ねぇねぇ、今から3人で気持ちイイことしない?」