《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第14章 顔のない足音
そういえば、私の横にいたあの兄妹……。
もしかして、あのお兄さんの方がカラ松さんだったとか?
よくよく考えてみれば、年齢も近い。
私は慌てて資料を見直した。
カラ松さんの家族欄を確認するが、カラ松さんに妹はいない。
妹どころか、カラ松さんは一人っ子のようだった。
「あのお兄さんではない……か」
他にあの場所に年齢の近い子供はいたっけ?
記憶を辿ってみる。
場はすごく混乱していたし、周りをしっかり観察できるほどの余裕もなかった。
何よりもう15年以上も前の出来事だ。
「う〜ん……。子供……何人かいたような気もする……」
データベースの資料には、人質になった人たちの名前までは記載されていない。
やっぱり、あの場所にいた子供の中にカラ松さんもいたんだろうか……。
私は溜息をついた。
結局のところ、憶測でしかない。
カラ松さん本人も教えてくれなかったし……。
「あ〜もうっ! 気になるー!」
私はデスクに突っ伏した。
その時、ノックの音が響き、ドアが開いた。
「トド松くん、いる〜?」
脳天気な声。
私は顔を上げた。
「あ、トト子さん……」
トト子さんが部屋の中を見回し、私に気づいて眉を顰めた。