《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第13章 青いプールに咲く花火(※カラ松)
「ああ……」
カラ松さんが大きく息を吐き、私の上に倒れ込む。
花火はすぐに消え、辺りは一瞬で真っ暗になった。
残った余韻に身を任せる。
夏が終わる――。
私は息を切らしながら、カラ松さんを抱き締めた。
涼しい風が吹き、上空の煙をあっという間に流していく。
ついさっきまでの情熱も、煙と共に去っていった。
「カラ松さん……」
抱き締める腕に力を込める。
寂しいのはあなただけじゃない。
人の生がきらめくのなんて、ほんの一瞬。
どんなに抱き締めても、この寂しさは埋まらない。
だって、私もあなたも結局は一人なんだもん。
花火の終わった夏の夜空は、まるで何事もなかったかのように、また闇に埋め尽くされた。