• テキストサイズ

《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)

第12章 事件、ふたたび


『もしもし? ゆりちゃん? 今どこにいるの?』
出ると、数日ぶりに聞くトド松先輩の声。

「あ、先輩。すみません。赤塚駅にいます」

もしかして、さっきのマスコミへの発言でお叱りの電話かな?
身構えながら耳に当てたスマホを握る。

『赤塚駅? 車?』

「いえ、徒歩です」

『徒歩……? 駅で何してるの?』

「ええっと、マスコミが……。あの、私、クビですか……?」

『クビ? 何の話? それより、今から署に車を取りに戻って、すぐに現場に向かってくれる?』
切迫したようなトド松先輩の声。

「事件ですか?」

『うん、未遂だけどね。今朝早くにカップルが襲われたんだよ。仮面の通り魔に』

え?
仮面の通り魔?

息を呑むと、一松さんが心配そうに私を見る。

私は思わず叫んだ。
「チョロ松警部は逮捕されたのに!? また仮面の通り魔が出たんですか!? なんで……」

『僕だって分からないよ。とにかく、現場に向かってくれる? 僕も今いる現場からすぐに向かうから』

私は頷いた。
「分かりました。現場はどこの公園ですか?」

『公園じゃないよ』

「え?」

トド松先輩の声が重く響く。

『現場は、山の中。ブラック工場のすぐ近くだよ』


ブラック工場……?


私は目の前の一松さんを見た。


「な、なに……?」
一松さんが不安そうに瞳を瞬かせる。


ブラック工場殺人事件、仮面の通り魔事件。
二つの事件を起こしたチョロ松警部は捕まった。

なのに……また、仮面の通り魔が現れ、しかもブラック工場の近くでの犯行だと言う。


チョロ松警部を逮捕しても、事件はまだ終わっていない……?


私は慌てて立ち上がった。


/ 724ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp