《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第12章 事件、ふたたび
「いや、幽霊なのかなと思って……」
一松さんは眉を顰めた。
「あんた、刑事のくせにそういうの信じちゃうタイプ? 引くわ……」
棘のある言い方に少しムカッとする。
「違うけど! 洋館に幽霊が出るって通報があって、捜査に行ったんです。そこでカラ松さんに会ったから……」
「あいつに実際会ったんだろ? 幽霊じゃないよ。俺だって会ってるし」
「でも、洋館の殺人事件でカラ松さんは亡くなったんですよね?」
「……表向きはね……」
「え、表向き?」
思わずオウム返しに聞き返す。
「あいつはその事件の後、病院で生死の境を彷徨ってたけど、なんとか助かったんだよ。退院できたのは事件からかなり経ってからだった」
知らなかった……。
「じゃあ、カラ松さんは……」
「あいつは幽霊じゃない。生きてるよ。まあ、知ったのは俺もつい最近だけど。幽霊が出ると噂が出たり通報があったなら、誰かが幽霊の噂を流したんだろうね……」
私は唾を飲み込んだ。
「誰がそんなことを……」
「さあね……それを調べるのが警察でしょ?」
「…………」
誰かが噂を流した?
何のために?
その時、私のスマホが鳴った。